

開催:2025年8月 / 発表:2025年10月31日 / 主催:株式会社アールジェイ
水上・積層、二つの最優秀案が「新たな建築の地平」を切り開く
2025年8月、株式会社アールジェイは「RJコンテナ建築デザインコンペ2025」を開催いたしました。本コンペは、多様化する市場ニーズに対応し、実現可能で革新的なコンテナ建築デザインを広く募集することを目的として実施されました。コンテナという工業製品を超え、建築・デザイン・事業の各領域で新たな可能性を探る取り組みとして、全国から多くの実践的な提案が寄せられました。

MDS Co., Ltd(株式会社MDS一級建築士事務所)
代表建築家:森 清敏 氏・川村 奈津子 氏
公式サイト:http://mds-arch.com
建築士
コンテナを水上リゾートに展開する本案は、これまでにない画期的な発想です。水上であるがゆえに、「時間と風景の移ろいを気の向くままに体験する」というコンセプトが、ユーザーの好奇心をくすぐります。自然との共生を前提にした提案であり、ぜひ実現を見たい案件です。
デザインディレクター
本提案は、近年の浮体建築研究が注視してきた「環境変化への応答」「構造安定性」「生活スケールの整合」を、コンテナという条件のもとで誠実に読み解いています。水面の揺らぎに呼応する床レベル、デッキの開閉性、浮体の厚みと安定の取り方など、いずれも過剰な演出を避け、「浮かぶこと」を静かな秩序として扱う成熟した態度が感じられます。“Urban Rigger” のような都市スケールの先行事例に対し、本提案は個人の居場所スケールへと還元し、「揺らぎの中に秩序を見出す」という浮体建築の本質を端正に表現しています。
プロデューサー
水上での非日常体験と、太陽光発電・蓄電池によるオフグリッド性が革新的です。イカダによる自在な配置展開は、モビリティ性を持つトレーラーハウス事業との親和性が高く、蓄電池やスマートセンサー技術を活かした未来のリゾート像を提示しています。
評価ポイント
株式会社アルフデザイン
代表建築家:三原 宏樹 氏
公式サイト:https://www.alph-design.com

建築士
コンテナの特長であるボックス構造の積み重ねと交差・はね出しを、簡潔かつ明快にまとめた構成が印象的です。コンテナ8個で1ユニットを形成し、敷地条件に応じて複数ユニットを展開できる柔軟性も高く評価されます。構造の合理性と空間の拡張性を両立した提案として、ぜひ実現を見たい案件です。
デザインディレクター
コンテナという与件を忠実に受けとめつつ、構造強度とモジュール性を立体的に展開し、限られた敷地や床面積の制約を建築的な可能性へと転化しています。上下のずれや抜けが生み出すテラスや階段まわりの余白は、外と内の連続を感じさせる呼吸する空間。反復とずれのリズムが環境に秩序を与え、「体験の層=建築の層」を明快に表しています。制約の中に豊かさを見出す建築的態度に高い完成度があり、小さな建築でありながら静かな強さを持っています。
プロデューサー
立体的な積層デザインがもたらすランドマーク性と、「体験を巡る動線」の創造性が秀逸です。ユニット型による高い水平展開性と量産性は、RJのコンテナハウス事業の新たな核となる可能性を秘めています。
審査員からは、参加者のいずれの作品にも「コンテナ建築の新たな可能性」を感じるとの声が寄せられました。参加いただいたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。
株式会社アールジェイ 代表取締役 石部 将生 より
今回のコンペでは、コンテナという産業素材が持つポテンシャルを、建築・デザイン・事業という多層の視点で再発見する機会となりました。今後も“実現可能な理想”を追求し、社会と調和する空間づくりを続けてまいります。
お問い合わせ:RJ広報 | Email:promotion@rj-c.jp